つわり、睡眠障害、情緒の変化など、妊婦さんは様々な辛い症状に耐えています。
その中で妻が妊娠中で最も辛かったことはダントツで”痒み”でした。
妊娠中に発症する痒みの症状は様々ありますが、いずれもそこまで多くの妊婦さんが経験するようなものではなさそうです。
しかしながら妻の場合は、とても確率の低いところにあたってしまいました。
出産後はすぐ治まりましたが、妊娠中期から後期にかけて”痒み”が最大の試練でした。
ただでさえまとまった睡眠がとれないのに、痒みのせいで夜中に起きてしまう。
そしてまた睡眠不足に陥り、免疫も低下し、痒みが生じてしまうという負の循環でした。
他の妊婦さんの体験談にもあった「出産後すぐに痒みが治まる」という情報に希望に抱き、痒みに耐えてきた数か月間でした。
ここでは妻が経験した痒みの症状についてご紹介したいと思います。
以降の内容は、妻が実際経験したり、産科で説明を受けたものです。
特に同じ症状でお悩みの妊婦さん、ご家族の方々に参考にしていただければと思います。
“痒み”の症状と種類
妊娠性掻痒（にんしんせいそうよう）
妊娠初期に出ることが多く、全身がかゆくなり皮膚も乾燥します。
発疹はみられませんが、搔きむしることで傷や色素沈着になることがあります。
割合としては、100人に3人から5人の妊婦さんに症状がみられるそうです。
妊娠性痒疹（にんしんせいようしん）
妊娠中期から出てくることがある症状で、2度目以降の妊娠で多いと言われています。
発疹がお腹や胸、腕や足に出てきて強い痒みを伴います。
掻きむしってしまううちに赤茶色に変色したかたい痒疹になり、治りにくくなります。
こちらも100人に3人から5人の妊婦さんに症状がみられるそうです。
PUPPP／掻痒性蕁麻疹様丘疹（そうようせいじんましんようきゅうしん）
妊娠後期に出てくることがある症状で、はじめての妊娠にで多いと言われています。
お腹や胸、腕や足に盛り上がった赤い蕁麻疹のようなものが出て、非常に強いかゆみを伴います。
PUPPP（Pruritic Urticarial Papules and Plaques of Pregnancy）とも言います。
こちらは低い割合で、300人に1人の妊婦さんに症状がみられるそうです。
以下、妊娠後期から臨月にかけて症状が見られたPUPPPの写真です。
妻の場合は腹部から背中にわたり、広範囲で症状が出ていました。
見るからに痒そうです。これが数か月続くわけですから、本当に辛かったと思います。
これも男性には経験し得ないものです。本当に頭があがりません。
原因
いずれの症状も、はっきりとした原因はわかっていないとのことでした。
妊娠に伴う免疫システムの変化や、ホルモン変化による乾燥、体質の変化によるものが、可能性があるようです。
対処法
いかに症状をコントロールするかがポイントとなります。
かゆみが強く掻きむしってしまうとどんどん悪化し、傷跡も治りにくくなるため、ひとまず考えられる手段は色々試した方が良いと思います。
なおいずれの症状も、出産後間もなく改善する方がほとんどのようです。妻も実際そうでした。
１．患部を冷やす
搔きむしらずに、かゆい時はかゆい部位を冷やすようにしましょう。
妻は濡れタオルで冷やしたり、布の上から水枕などをあてていました。
２．保湿して乾燥を防ぐ
皮膚が乾燥すると悪化します。保湿クリームやローションで手入れをしましょう。
一時的ではありますしたが、妻はそれらを使い、しばらくの間痒みをしのいでいました。
３．肌への刺激を少なくする
大変だとは思いますが、こまめにシャワーをして肌を清潔にし、下着は綿のものに変えるなどして、肌への刺激を少なくして下さい。
４．薬を処方してもらう
結果として妻の場合は、効果が一番持続したのが処方薬でした。
様々試してみても効果がなく辛い場合は、処方薬を頼るのも一手だと思います。
妊娠週数や妊婦さんの症状によって異なるようですが、妻の症状ではステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬などを処方してもらえました。
産科の医師に相談すれば皮膚科を紹介してくれるはずです。辛い場合は早めに相談してみてください。
まとめ 早め早めの対処を
妊娠中は他にも辛い症状があり、ひとつの症状に向き合うことも大変だと思います。
この”痒み”においては、掻きむしりによる傷の跡が残り治りにくくなるため、出産後の肌の回復スピードが変わってきます。
早めに対処することで、それらを少しでも和らげることができるのかなと思います。
上記を参考にしていただき、是非早めの対処を検討してみてください。
